何が人にとって幸福であるかという問題は、

最近になってようやく統計学的な研究が始まったばかりで、

模索段階であり、私たちが耳にする幸福度とはその初期仮説に過ぎません。

 

さらに、既婚者が独身者よりも幸せだ、仕事で成功すれば幸せだ、

といったような心理学的、社会学的知見には相関関係は認められますが、

結婚、成功すれば幸せになれるという因果関係はありません。

 

真の幸福とは、このような統計的尺度によって比較された幸福度ではなく、

そのようなものでは測れない人間の幸福、すなわち、 達成感や成功ではなく、懸

命に努力しても、願いつつも叶わなかったときにこそ、

私たちの幸福感が試されることになります。