よきふれ方とは何でしょうか。触覚の最大のポイントは、
それが親密さ、信頼関係にも、不安や不快感にも通じていることです。
人が人のからだにふれるとき、
そこにはどのような緊張があり、
信頼があるのかを考える必要があります。
私たちは、日常でも相手になにげなくふれていますが、
ふれられていることを許せるとすれば、
それはその人が相手を信頼しているからです。
逆に言えば、ふれる人は、
まずはその人に信頼してもらわなくてはならないのです。
「ふれる」と「ふれられる」が、
不安や恐怖を感じさせない仕方で同時に成立するのは、
信頼関係が不可欠になります。
「ふれるとふれられている」という確かさの中で、
緊張は安心に変わっていきます。
そして、ふれる側はふれるという出来事の主導権を行使し、
ふれられる側は逆に主導権を相手に手渡すことが大切になります。