LA TERRAテント補完計画

 

 これまで、日本とアメリカ、ヨーロッパのメーカーがつくった

テントを候補にしてきました。
今回は新進気鋭の、しかも斬新なアイデアを盛り込んでいる
中華製テントです。

 以前にもちょっと触れましたが2022年の夏は

テントはおろかアウトドア関連の言葉も商品も検索していないのに
なぜだかネットを覗くたびにPCでもスマホでも
中華製コピーのテントが表示され続けた日々が続きました。

GEERTOPの4シーズンテント。しつこく表示されてた頃は
販売価格が¥10,000をきっていたと思う。

 

 このテントが一度もクリックしていなかったのに何故だか毎回表示されていました。

9月になって「しつこいなぁ…」と思いクリックしてみると、
中国の聞いたことのないメーカーで、
当時は¥10,000をきった価格で販売されていて驚きました。
また、素材を確認するとPU防水加工されたナイロンリップのフライシートに
スノースカートが装備されています。
 これも以前に書いたことなのですが、
20年くらい前まで(今もだけど)日本のテントメーカーは
PU防水加工した布地のフライシートにはスノースカートを装備させる
メーカーは本当に稀でした。
20年くらい前は僕の知る限りニッピンが販売していた
メスナーテントのフライシートくらいでした。
それくらい外気を遮断するPU加工した布地で、しかもスノースカートを装備させるとなると、ベンチレーションだけでは換気問題にリスクを感じているメーカーが多いのだろう。
日本のメーカーが二の足を踏んでいる間に、海外のメーカーはPU加工した布地にスノースカートを装備したフライシートをどんどん生産してきた。

 

GEERTOP 4シーズンテント Navigator


ギアトップR1
 大きく評価が別れているテントなのですが、アマゾンの★の数は
本当にアテにならないと感じます。
1つ1つのレビューを見て、細かく追及すると、かなりアバウトな生産管理のようです。
当たりを引けばいいけれど、欠陥品が届いたらたまったもんじゃない。
また、縫製の精度も実際に実物を手にしてみないことにはわかりません。
デザインコンセプトは先進的で、興味をそそられるテントなんだけど、
フライシートとインナーテントを接続するパーツが明らかに
間違ったモノを使っていて、購入したアメリカのユーザーは激オコでした(笑)

とまぁ、こうした事故例は別として
デザインコンセプトや使い勝手の工夫はとっても魅力的です。
(なんとなくハスキーのファイターを模倣したように感じてしまうけれど。。。)
僕のようなフライシートだけ使いたいというヘンな要望も十分満たしてくれそうに感じました。

ギアトップ共通1

ギアトップ共通4

ギアトップ共通2

ラテラのテントを覆うにはほぼほぼピッタリです。

こちらのNavigatorはフライシートだけで自立し、
ラテラのテントより天頂部が約5cm高いので、
空間が5cm空けられます。
このわずかな空間のおかげで空気や蒸気の循環も行えそうです。


懸念事項はズバリ、品質管理の低さ。

販路が中国のアリババ、amazonだけでなので
 アフターフォローが著しく心配
 amazonでも中華コピー商品(業者)の販売管理はしっかりできていない。
 欠陥商品が届いた、違う商品が届いた、商品が届かない…等々枚挙にいとまがない

 

 

 

 NatureHikeネイチャーハイクからは2つのテントが候補に挙がりました。
1つめは“Hibyハイビー3”と“Hibyハイビー4”です。

ハイビー3b

(毎年のように細かい部分を見直して着実に進化している。カラーも年によって限定色があるようです)
その名の通り同じスペックのサイズが違うモノです。
このコロナ禍の中で起きた今回のキャンプブームで大きく躍進したテントとも言えるかも知れません。
オートキャンプやツーリングキャンプをされておられる方々で
このテントを使用されいてる光景はよく見たりします。

縦型テント(短辺に出入口のあるタイプのテント)でありながら、
フライシート内に自転車やバイクまで収納できてしまうほどの
大きな前室が最大の特長であるテントです。
ハイビー3a
これだけの週能力がありながら、収納サイズや重量はそれほど大きくありません。

テントの展開サイズは“Hibyハイビー3”ハイビー3e

“Hibyハイビー4”が

ハイビー4a

3人用と4人用どちらもラテラの120×210×105をスッポリと覆うことができて、
しかも大きな前室が使えることになります。
 ただし、出入口は正面に1ケ所だけ。後方は換気用のベンチレーションがあるだけ。

ハイビー3c

 youtubeで経験の浅い人がこのテントのステマ動画で
「フライシートの裾が短い…」
とか宣っていたけれど、
「裾の長さは十分確保できていると思う。
むしろ、こんなに低い位置にまでフライシートの裾が伸びてる!」
と感じるくらい。
あのyoutuberは一体なにを基準にしてあんなコト言うのだろうか?

 

選択肢の1つとして最後まで迷ったテントでしたが、
2本のメインフレームが太さの割に長すぎると感じがしました。
きっと普通規模の台風くらいなら十分耐えられるとは思いますが、
それでも強風に煽られた時などはずいぶんと内部スペースは
強風に押されウォールが大きく揺さぶられてしまうのが想像できます。
・出入口が1カ所しかない
・メインフレームが太さの割に長すぎる

 

 

 NatureHikeネイチャーハイク2つめの候補は
Igloo2 Alpine イグルー2アルパイン”でした。
イグルー2アルパインg
ネイチャーハイクのアルパインテントとしてはおそらくはフラッグシップモデル
であろう、Igloo2 Alpine イグルー2アルパイン
フライシートは自立式でラテラのテントはスッポリ包み込んでいれるサイズです。

イグルー2アルパインf

出入口はGEERTOPのNavigatorとは違い、
正面と後面に1ケ所ずつ、計2ヵ所ありますびっくりマーク
イグルー2アルパインc
 まさにラテラ補完計画の条件はすべて満たしていました。
面白いと感じたのは、前室と後室の部分にはスノースカートが装備されているのですが、インナーテントに接する側面にはスノースカートが無いようです。
基本的な設計コンセプトというかデザインはハスキー・ファイターをパクッたろ?
と感じていましたいました。
ただ、この点を観ると「ネイチャーハイクさん、考えてんじゃん!
と驚きました。
思わず上から目線で「エライっ!」と評価したくなったほどです。

 

ホント、完全防水の布地でできたフライシート、そのすべての裾にスノースカートをつけるということは、例え件数は多くないにしてもかなり高いリスクを伴うもの。
毎年、テント内で「酸欠」あるいは「一酸化炭素中毒」による死亡事故が確実に起きる。
だいたいにおいて、スノースカートが装備されていない、ある程度通気性が確保されたテントでも「酸欠」「一酸化炭素中毒」による死亡事故は毎年のように起きていることを考えると、フライシートの裾を塞ぐスノースカートを着けるのはリスキー。

話が脱線してしまったけれど、そうしたリスクを少しでも軽減しよう!
といった設計に「ネイチャーハイクさんズコいっ!」
と称賛をおくりたくなったのでした。

要するに、このモデル、テント内の換気に対してけっこう配慮されているようです。
イグルー2アルパインi

耐風性に関しては、明らかにハスキーの“ファイター”をお手本にしているのが
よくわかります。
フライシートの裾を地面(接地面)から離したことで換気量が増えた分だけ、
強風時は風を拾いやすくなってしまいます。
よってテント全体がバタつくことでしょう。
きっとこうした強風の風圧・積雪等の加重対策を考慮してよる
リフター(張り綱・ガイドライン)の設置数はハスキーの“ファイター”よりも多いです。

イグルー2アルパインe

フレームもハスキーの“ファイター”より1本多い5本使用。

 重さと収納性を度外視して、アルパインテントとして、またより自然環境の厳しいエクスペディション向けとして使うのであれば理想的なテントだと感じました。
(実物に接していないので、飽くまでカタログ上でのスペックだけの判断)


・重い・収納性が大きい

・参考にできるデータやレビューが乏しいので、謎が多い。


SOOMLOOM 広域2
 中華製アウトドアブランドの中では比較的評価の高いSOOMLOOM社。
他社のヒット商品をことごとくコピーあるいは
他社の製品に似せたモデルが多いのですが、
細かなディテールや付属品などは本家を凌ぐような製品が多く見受けられます。
そして、一時期ほどではないにしても、価格面での中国の強みと言えるコストパフォーマンスに優れています。
今回、候補に挙がったテントも
「またパクり?」呟いてしまうほどネイチャーハイクのHibyと酷似しています。
広域2a

 

広域2b
けれどもネイチャーハイクのHibyよりもパネル部分の布地の素材は
先進的なものをつかっています。
ナイロン地にシリコンコーティングを施したり、
フライシートにポリエステル地にUV加工をしたものを採用したり。
 また、ドアのファスナーはトリプルスライダーを採用したり、
新しい試みに溢れているように感じました。

サイズは
広域2c
ネイチャーハイクのHiby3とHiby4の中間くらいのサイズ。
ラテラのテントを十分に覆うことができて、広めの前室も十分に使えそうです。
広域2d
また話が脱線してしまいますが、テント好きのyoutuberさんが
上の写真のように「フレームスリーブに途切れた箇所があるのでフレームを通すのに
手間がかかる。フレームスリーブは途切れないように作ってもらえると嬉しい…」
といった旨の要望を言ってました。
「この途切れた箇所を無くしたら、雨天の時、フレームスリーブが堤防の役割をしてしまい、雨水はテント表面に溜まってしまうじゃないか!
水はどこから抜けてくの?」
と思った。
ホント、なんてことを言い出すんだが。。。

 

僕が雪中キャンプを視野にいれた考えではなく、春から秋にかけての
キャンプを望んでいたら、このSOOMLOOMの“広域2”は最有力候補だったかも知れません。

・出入口が1カ所しかない
・メインフレームが太さの割に長すぎる

 

つづく