彼の見たこともない目つきを見て
なんか身震いをしたし
さっきとは違う妙なドキドキ感を覚えた。
「ごめん………
このままだと俺………ダメだ…………」
その言葉にドキッとしたけど
彼は人が変わったように
一瞬で笑顔に戻って
「ごめんねヌナ」
そう言って私の背中に手を差し入れて
優しく体を起こしてくれるから
私は呆気にとられていた。
豹変。
それ以外に表現が浮かばない程の
彼の変わり様に私は固まった。
そんな私を見て
彼は気まずそうに
そして困ったように呟いた。
「なんか俺……スイッチあるみたい……。
ヌナが近くにいない時はそうならないから
俺自身も知らなかったけど……
なんかさっき急にスイッチ入っちゃってさ…
今日はヌナを休ませたいから
帰るって決めてるのに……」