しばらくして
彼女がマグカップを持って
キッチンから出てくると
僕は彼女に
気になっていることを問い掛けた。
「……………何を見て知ったの?」
彼女はお茶の入ったマグカップを1つ
僕の前のテーブルに置いて
同じソファの
僕から少し離れた位置に座る。
そしてカップを持った手を
膝元に置いて
俯き気味で呟くように言った。
「テレビ。
普段見ないんだけど
買い物してる時に偶然見かけて……」
そっか………。
まぁそういうことだよね…。
彼女はあまりメディアを見なくて
アイドルに興味がないから
僕を本当に知らなかったのだろう。
ホント全てが偶然だったんだろうな…。
これは来るべき時が来た、という
何の不思議もないこと。
僕たちはメディアに出ることが
ただでさえ多いのだから
目に触れるチャンスは多い。
でもそれを見たことによって彼女は………