その時
ずっと不安とか怖さがあったはずなのに
僕には彼女の姿が希望に見えた。
僕は足を速めて彼女を追いかける。
彼女はとても疲れている様子で
元気なくゆっくり歩いていたから
僕はすぐに追いついた。
「□□ヌナ」
彼女を呼ぶと
彼女はビクッとして一瞬動きが止まった。
でも彼女は僕だって気づいたみたいで
振り返ることもなく
すぐに足を速めて遠ざかって行く。
また無視………
あからさま過ぎる態度に
またイラッとしたけど
僕を避ける理由を絶対に聞くって
もう決めていたから
アパートまで
彼女の後ろをついて行った。