「ヤ~!
ただ喋ってるだけじゃんか~!
僕は別に良いけど
コリちゃんが可哀想だから
からかうのは僕だけにして~」
彼女に迷惑がかからないよう
俺が盾になろうと立ち上がり
からかってくる奴らにギャーギャー言った。
そしたらいつしか爆笑されて
何とかその場を切り抜けられたけど……
そうなってしまったから
彼女とはもう
二人きりで話すことは出来なかった。
あーあ……
もっと話ししたかったのに……。
そのままみんなと話しながら時間を過ごし
「撤収〜〜!
次のお客さんいるから早く出ろってさ〜」
やがてそう声が掛かると
ほろ酔いのみんなは
押し合いながら部屋を出て行った。
俺は飲み物を寄せたり
少し片付けてから行くか…と思っていると
彼女も隣で片付けをしていた。
みんな出て行ったし、チャンス!
「コリン、そろそろ出よ」
俺はそう言って
後ろ手に彼女の手を掴む。
彼女の手を引いて二人で部屋を出た。
彼女の手は小さくて暖かくて
あぁ……
もっと一緒に居たかったのになぁと思った。