「そうだったんだ……」
一連の話での彼の表情は
嘘をついているとは
思えないような感じだったから
きっと本心なのだろう。
やっぱり彼は悪い人じゃなかったんだなって
安心したし
彼に対する恐怖心は消えていた。
「僕は……
芸能人っていう肩書きなしでなってくれる
友達が欲しかった…。
みんなもう……
僕を芸能人っていう目で見て
一人の人間として見てくれないから……。
僕だって普通の人間なのに……
だからなんか……すごく息苦しくて……。
メンバーには本音で話せるけど
みんな疲れてるから躊躇うこともあって……。
だから何でも話せるような
友達が欲しかった……」
彼はさっきとは一変して
苦し気にそう話し始めて
今まで
相当苦しい想いをしてきたんだなって…
聞いてるだけで胸が張り裂けそうになる。
有名人になると…………そっか………。
ジミンくんは辛かったんだ……。
「でも今更そんな友達作るなんて
無理なんだろうとは思ってた。
でもヌナを見つけて……
ヌナなら……そういう友達に
なってくれるんじゃないかって…
なんか思っちゃってさ……」
私のことをそんな風に見てくれたんだ……
彼の本心を聞いて
私の彼に対する考えは変わっていた。