その通知を見て急に心拍数が上がる。
嘘でしょ………
彼はたぶん
私がLINEを開封しなくても
通知だけでも内容が分かるように
敢えて短文でメッセージを送ったのだろう。
彼がそこまでするとは思ってなかったから
私はすごく戸惑った。
彼に会うのは恐怖でしかない。
でも
芸能人で顔が知れ渡っている彼を
バスターミナルで
待ちぼうけにさせる訳にはいかないし……
明日も仕事だろうに
無理して抱川に来たであろう彼を
無視するなんて……
さすがにそれは出来なかった。
だから私は慌てて
鍵と財布とケータイだけを持って
家を飛び出した。