「無言じゃ分かんないよ~。
他人の立場から整理したげるから
言ってみな~」
彼がどういう気持ちでそう言ってるのかは
分からなかったけど
心配してくれてるのはありがたかったから
話してみようと思った。
「あの………私……彼のこと…
嫌いになった訳じゃなくて……
好きだから……不安で……」
いざ話すと恥ずかしくて
途切れ途切れになってしまったけど
彼は相槌を打ちながら聞いてくれた。
「不安なのが辛くて
それで……別れようと決意して……」
「ちょっ、ちょっと待って。
話飛ばし過ぎ。
シセリちゃんは彼との何が不安なの?」
彼は私にストップをかけてそう聞いてきた。
彼に問い掛けられて
自分の気持ちを思い起こすように
口に出してみる。
「前も話したと思いますが
彼は私とは全く別世界の人で……
すごく才能がある人なんです。
だからなんか……遠い存在でもあって……。
今は遠距離ですけど
それがなくても仕事の関係上
元々会えなくて………
会えなくてちょっと…寂しいですけど
彼の成功を邪魔をしたくないですし
重荷になりたくないって思うから……
私はもう……彼に……何も言えなくて……。
それにソウルには
素敵な人が沢山いるでしょうから…
なんかもう………どうしたら良いか
自分では分かんなくなってきて……。
心が不安定で……自分も辛いし……
彼を解放させてあげたいし…
だから……」