「オッパ………」






彼女は小さくそう呟くと


僕の背中を撫でてくれた。













「モヨナが辛い思いをしていたのに
俺は自分だけ辛いと思ってて……
モヨナの何の役にも立ってなくて
ホント………彼氏失格だよな……。
情けない……」






ホントに今まで僕は



僕だけ辛い……

彼女に裏切られたかのような
気持ちになっていた。








でも実際は
彼女を裏切ってたのは僕だったし





彼女は好きな仕事を失って
追い詰められていたというのに





僕はそんなことも気がつかず






そんな自分にガッカリした。
















でもワガママな僕は

彼女のことがすごく好きだから







どうしても彼女を失いたくなくて……













「もうモヨナはこんな俺
好きじゃなくなったかもしれないけど………
俺はモヨナが好き……。
………だから…………もう一度……
もう一度だけ……
挽回のチャンスくれないかな……」





彼女にそうお願いをした。