彼女が別れたくないと言ってくれたのは
すごく意外だった。
何を言われるか怖かったけど
でも彼女に先に意見を言わせたのは
やっぱり正解だったなと思った。
もし仮に僕が先に別れたいと言ったら
彼女は
別れようと言ったかもしれないなと
何となく思ったから…。
前から彼女は僕を優先させる人で
彼女の感じから
きっと今もそこは
変わってないのだろう。
「じゃあ別れる必要はなさそうだね」
僕は心底ホッとして
笑顔でそう言うと
彼女は顔を上げて
ビックリした顔をしていた。
「えっ……と……」
彼女も僕の反応が予想外だったようで
目が揺らぎ、動揺が見えた。
でも僕はもう
彼女への想いを止めなくて良いのだと
知ったから
再び彼女に愛を伝えたくなったんだ。
「俺もモヨナが好き」
彼女の言ったことを受けて
こうなってしまったのはきっと
お互いの言葉足らずだったんだろうと
改めて思った。