「難しい問題だよな。
すぐすぐ何か手を打てる訳じゃないけど
彼女と腹を割って話した方が良いと思う。

彼女が何を思っているかは
俺にも分かんないから軽く言えないしな…。
話せば上手くいくこともあるし
やっぱりお互い別の道に進もうって
なることもあると思う…。
でもそれは誰も分かんないことだから
まずは一歩踏み出して……

彼女と話してみて
どうするかちゃんと決めた方が良い。
恋愛ってそういうものでしょ?
話し合って一緒に決めていくもの。
我慢のし過ぎはお互いに悪いし
余計にすれ違う。
たぶんそういうもんなんじゃないかな?
俺も経験少ないから分かんないけどさ」





ナムはそう言ってハハッと笑った。









僕はその通りだなぁと思った。







性格が違う2人が一緒に歩くんだから


歩み寄ったり
歩幅を合わせたり

そういうのは不可欠だ。







それには
言葉じゃないと伝わらないこともある。








相手が立ち止まれば


『疲れたのかな』
『何かを思い出したのかな』


解釈は色々出来る。








でも本当はなぜ立ち止まったのか



やっぱりそれは
言葉で聞かないと分からない。








『疲れた』のであれば

僕がおんぶしてあげたり
近くのベンチで一緒に休憩したり


聞けば相手と寄り添う方法が浮かぶ。











僕はナムの言葉でそれに気づいた。







彼女が芸能界に進んだことを
彼女自身実際はどう思っているのか





そして僕のことを今どう思っているのか









それ次第で離れるか、寄り添うか
道は変わるけど



それにはまず彼女と話して
何を思っているのか確認してみないと
始まらない。








僕は何となくで
勝手にモヤモヤしていて



向き合うことから逃げていたんだ。