「オッパに止めてもらえば良かった……。
やっぱり……この世界は……
私のような中途半端な人間には
向いてないって
もう痛い程よく分かりました……」
苦笑いを浮かべてそう話すと
彼は私の両肩をガッチリ掴んで体を離し
真剣な目で
「何があった?
何か嫌なことされた?」
と問い掛けてきた。
あぁ………私………
こんなに愛されてたんだ………
なのに………
そんなことを思いながら
彼の目を見ながら話し始める。
「何かされたって訳じゃないです。
ただ………やりたくない仕事を断っても
しつこくお願いされたり……
マネージャーは断るなって
強く言ってきて
勝手に仕事を決めてくるし……」
彼は私の話を聞いて
苦しそうな表情をして視線を外したけど
すぐにまた私に目を向けて
「今更だけど………
あれからどんなことがあったのか……
詳しく俺に話してくれる?」
そう言って
また椅子に座るように促してくれた。