「モヨナは……?」
彼はそう問い掛けてくる。
私の意見が先か………。
でも彼に先に言われたら
自分の意見を
曲げてしまいそうな気もするから……
私は自身で考えたことを
彼に伝えることにした。
「…………私はオッパが好きです。
だから……………別れたく……ない…です…」
意見は食い違うだろうなと思った。
話が行き着く先も予測していた。
「でもオッパが別れたいなら別れます……」
彼がもうその気がないのなら
私と無理矢理付き合う必要は
ないと思ってて
今回の話し合いで
解放してあげなきゃと思っていた。
でも
「じゃあ別れる必要はなさそうだね」
彼にそう言われて
予想外でビックリした。
落ちていた目線を上げたら
彼は以前のような
優しい眼差しを私に向けてくれていた。
私はこの時
彼に見つめられるこの感覚を
懐かしく思いながら
しばらく感じたことがなかった
深い安心感というものを感じた。