「いつか聴いてみたいなぁ……
ジミンくんの歌…」
「今度ね」
彼は練習生の話になった途端
どこか気まずそうにサラッと返す感じがして
あまり聞いて欲しくない
ナーバスな内容だったのかな……と思って
気にはなるけど
それ以上は聞かないでおくことにした。
もしかして何か悩んでるのかな……。
初めてのごはんとは思えないくらい
彼とはすぐに打ち解けて
気楽にお互いの話をして
楽しい時間を過ごしていたら
辺りが少し
暗くなり始めていることに気がつく。
「結構時間経ってたね。
あっという間だったなぁ……。
……もうそろそろ帰ろっか」
「そだね」
伝票を持って、会計に向かう。
「僕が払うよ」
彼が気を遣ってそう言ってくれたけど
この間助けてくれたお礼がしたかったし
練習生とかの下積み時代は
色々とお金が掛かって大変だって
どこかで聞いたことがあるし
それに今日こんな田舎に
わざわざ来てもらって悪いと思ってたから
「練習生は売れるまで苦労するでしょ?
だから私がご馳走するから」
彼の申し出は断った。