私は彼に渡された
暗号が書かれたサービス券を
呆然と見つめていた。
これって………LINEとかのIDなのかな……?
良かったら連絡してください……か………。
言葉遣いも丁寧だったし
彼は優しい目と声をしていて
見ず知らずの私を助けてくれたし
なんとなく良い人なのは分かる。
私お友達少ないしなぁ………
私はあれこれと彼のことを考え
連絡するかどうか迷いながら
その後も仕事をしていた。
「お疲れ様~。
今日は大変だったね。
さっき警察に情報提供したから
大丈夫だとは思うけど……
十分気をつけて帰るんだよ?」
夕方、就業時間が終わっての帰り際に
店長が声を掛けてくれて
私は改めて
「色々とありがとうございました。
明日もよろしくお願いします」
と挨拶をして、家路につく。
今日はなんかすごい1日だった。