申し訳ない感じで
その人たちに目を向けて断るも
誰一人として目付きは優しくないし
上から下までジロジロ見てくるようで
すごく気持ち悪かった。
「堅いこと言わないでさ~
ほらこれも買うからさ、ケータイ出してよ」
誰か助けて………
そう思って周りに目を向けると
誰かがお菓子コーナーから
小走りで去って行くのが見えた。
あ………
そりゃこんな状況見たら
みんな逃げるよね………
私はどうしようと
震えた手をぎゅっと握り締めて
「すみません……
それはちょっと……出来ません」
と謝りながら、断り続けた。
しつこくて
もう連絡先教えるしか
この状況を打破する手だては
ないのかな………
泣きそうになりながら
そう思い始めた時に
「お客様。
何かございましたでしょうか?」
男たちの後ろから
ちょっと冷めたような低い声が聞こえた。