「ぇ……ぅぁ……」
ビックリして思わず目をつぶると
気づいた時には
彼の太ももに股がるように乗せられていた。
私のすぐ後ろには
前の座席の背もたれがあって
すごく狭いだけに
彼との距離が急に近づいて
また心臓が爆音を鳴らす。
彼に顔を見られるのが嫌で
顔を背けると
彼は私の頬を両手で挟んで
正面に顔を向けさせた。
今から大事な話をするから」
「でも……こんな顔…」
「ねぇ…コリ」
この時彼は初めて
私のことをコリちゃんでも
コリンでもなく
名前呼びをした。
それだけで私の心臓はドキンと強く鳴る。
「僕はコリのことをブスだとか
スタイルが悪いだとか思ったこともないし
変わって欲しいなんて思ったこと
一度もないよ。本当に。
寧ろ可愛すぎて困るくらいなのに……。
泣いてもこんなに可愛いなんて……
ズルいよ……」