なんか怖いなと思って萎縮していると
ちょっと化粧が濃くて
強そうな感じの女の子に話し掛けられた。
「あの!もしかして……
この広告のモデルさんですか?」
「え…………」
「スゴい可愛いと思って!
私……こんなんですけど…
あなたを見て系統変えようと思いました。
スゴい憧れです!
あの…良かったら名前教えて下さい」
そんなことを言われて
すごくビックリして
何も言えずにいると
「ありがとうございます。
確かにこの子、このモデルの子ですが
事務所とか入ってないので
名前はお教え出来ないんですよ。
でも、ありがとね」
プロデューサーさんが
横からフォローしてくれた。
プロデューサーさんに中に行こうと
背中を押されて促されたけど
なんかこのまま
何も返さないで行くことを
後悔しそうだったから
「ありがとうございます。
私を憧れだなんて……。
私からしたら
あなたは自分をちゃんと持っていて
私よりももっともっと素敵だなと思います。
声掛けてくださってすごく嬉しかったです。
ありがとうございました」
お辞儀をして
その場を去った。
スゴくドキドキしていたけど
後ろから
「超可愛いしスゴい良い子だった!
私、応援する!」
そう聞こえてきて
嬉しくて思わず口元が緩んだ。