当日は
朝から彼が連絡をくれて
20時頃にスタジオの裏口で
待ち合わせることになった。
たまにくれる状況報告に
忙しそうだなと申し訳なさを
感じずにはいられなかったけど……。
仕事が終わってスマホの地図を見ながら
スタジオに辿り着くと
だいたい時間通りだった。
その時間
通りには人がまばらでラッキー。
怪しまれないようにサッと
裏口への細い道に入って足を進めると
扉の前で帽子を目深に被った人が
壁に寄り掛かって立っていた。
ホソクオッパ……かな?
私の足音でその人は気づいて
帽子から目を覗かせる。
やっぱりオッパだった。
相変わらず彼は格好良い。
思わず見とれていると
オッパはニコッと笑いかけてくれて
ドアを開けて中に入るよう
身振り手振りで告げた。
いいのかな………と思いつつも
そーっと中に入った。