バックルームへ行くと
呑気に朝ごはんを食べている店長がいた。
「お、さくらちゃん、おはよ~。
あれ?どうした?そんな顔して」
でも私の表情に
すぐ店長は何かを
感じ取ってくれたようだった。
「あの……
お客さんにつっかかられてしまって…
どうしたらいいか…」
私が泣きそうになっていると
店長は箸を置いて立ち上がり
店の方へ歩いて行った。
パニックだったから
言葉足らずだったからもしれないけど
店長が日本語の分かる人で
しかも頼れる人で良かったと
心から思った。
店長は
その男性客の対応を引き受けてくれて
「こっちは気にせず他の人をよろしく」
とこそっと言ってくれて
私はナムさんを見つめて
口の動きでありがとうと伝えて
カウンター業務へ戻った。
店長の的確な対応で
事態は丸く収まったようで
その後騒ぎが起こることもなかった。