「いや……僕が助けた訳じゃないですよ」
本当はこんなの滅茶苦茶カッコ悪い。
男のくせに自分で助けず
他人に頼むなんて……。
だからこんなに感謝されて
反って恥ずかしかった。
「そんなことないです!
あの場合、店長を呼ぶのが最善です。
本当にすぐ来てくださったので
大事にならなかった……。
あなたのおかげです。
ありがとうございました」
そこまで言われると余計に恥ずかしい……。
「あの……お兄さん……
前も来てくださいましたよね?」
帽子を深く被った僕を
下から除き込むようにして
僕の顔を見る彼女。
「もしかして……
チョコ買いに来てくださったとか?」
図星だったから
少し照れながら
「えぇ……まぁ……」
と答えると
彼女はパァッと明るい笑顔で
「じゃあお礼に私が3つプレゼントします」
と言った。