「ぁ……いや……僕は何も……」
「最近あの柄の悪い連中が
この辺りをウロついてるという噂を
聞いていたので……
とても心配していたんです。
広いスーパーでは私の目も
なかなか行き届かないですから……」
ふと
その男性店員の名札に目を向けると
『店長』と書いてあった。
だからそんなことを……。
その店長さんは
僕にお礼がしたいと
僕をレジの方まで連れて行ってくれて
サービス券をプレゼントしてくれた。
従業員想いの良い店長さんだなと思いながら
サービス券のお礼を言うと
「またお越しください!
お待ちしております」
と笑顔で見送ってくれた。
このまま帰るのもなんだしな……
僕は再びお菓子売り場へ向かうと
あの売り子さんが僕に気づいて
「あ!
先程はありがとうございました!」
と近寄って来て
お礼を言ってくれた。