よくは知らないんだけど
その中華料理店の店長は
元々芸能界に居た人で
主に芸能界で使ってもらう為に
作った店だという話は聞いている。
だから
プライバシーには
かなり気を使ってるらしい。
その点彼女に安心して貰いたくて
ここを選んだ理由をちゃんと話した。
個室に入り
向かい合うように席に座ると
なぜか彼女からすごい視線を感じた。
顔を上げると
彼女は俺の頭を見ている。
「あ?
あぁ………髪か?
すげ~派手だよな。
こんなん初めてで
まだなんかしっくりこねぇけど……」
前と会った時と比べると
だいぶ派手に見えるだろうから
引いただろうな~と思った。
彼女は
「……………似合ってる……よ」
気を使ってたどたどしくそう言うから
「思ってねぇだろ」
思ってねぇのバレバレなんだよと
軽く笑った。