「ねぇ……またこうやってロケ車で会わない?
撮られるとかそういう心配もないし
誰にも邪魔されないし」
俺は今回ので
ロケ車デートはなかなか良いなと思った。
すごく静かだけど
誰かの目を気にしなくていいし
彼女と向き合えるから。
「私はいいけど………
でもこの車って使って大丈夫なの…?
勝手に……」
彼女が良いとさえ言ってくれれば
あとは全部俺が何とかするだけ。
「気分転換してくるので車貸して下さい。
運転はしないのでって
お願いするだけだから大丈夫だよ~」
「そうなんだ……」
「コリンはそういうの気にしなくていいから。僕が何とかするからね~」
「……うん」
色々心配してくれる彼女だけど
俺としては
彼女はただ
何も心配せずに
俺の傍に居てくれれば良かった。
俺のワガママなのに
付き合ってくれたんだから
別に何かに気を遣ったり
頑張ってくれなくて良い。
彼女にあれこれと求める気は
更々なかった。