我に返ると
自分のデキナイ男加減が目につく。
僕バタバタしてて
飲み物しか用意出来なくて…
本当は一緒にご飯食べたかったんだけど……」
飲み物は
彼女の好みじゃなかったし……
あ~あ……やっちゃった……と思っていると
「全然大丈夫。飲み物…ありがとう」
彼女は
俺が渡した飲み物をまた手に持って
嬉しそうにそれを見つめてくれていた。
「しかも甘いのだし……ごめんね」
「だから飲めるって…」
でも前より自然な会話が出来てる気がするし
タメ口にしてくれたことも嬉しかった。
彼女はまだ
俺にあまり目を向けてはくれないけど
何回も会っていれば
きっと慣れてくるだろう。
だって俺たちは
しばらくは会ってなかったにしても
同じ中学に通い
同じ地域に住んでいて
しかも同じ学年だったという共通点を
持っているのだから
きっと分かり合えるし
仲良くなれる
それに俺は運命だと信じていた。