「あ………よく見たら……
お兄さんハンサムですね!
なんか芸能人みたい……」
そう言われてビクッとする。
え、バレた………? と思いつつ
恐る恐る顔を上げて彼女を見ると
彼女は屈託ない笑顔でニコッと笑った。
僕はプライベートで
お忍びの移動をする時は
うつ向いて歩く癖があって
だから彼女の顔をちゃんと見たのは
この瞬間が初めてだったんだけど
彼女は少し幼い雰囲気の顔で
可愛い……と思った。
声は少し高めだけど
でも話し方に落ち着きがある。
彼女の第一印象はそんな感じ。
「お兄さん、この辺の人ですか?
もっと都会に行けば
一杯スカウトされそう…」
彼女はそう言うと
急にハッとした表情をした。