「あ……そう……
オッパにデータをお見せしますね」
ケータイをいじり始める彼女を見て
僕は妙に緊張し始めていた。
なぜこんなに緊張するのかというと……
彼女の人を惹き付ける魅力が
プロの手で
きっと驚くようなものになっている……
そんな予感がしていたからだ。
その証拠に
少し前に撮影したMVの反響だ。
僕は
彼女の背中を押したものの
MVの時の騒動があるから
正直色々な不安の方が大きかった。
でも
彼女がもし望んで芸能界に入るのなら
僕はそれを拒む資格はない。
僕は
彼女のことを自由にさせてあげる為に
自分を言い聞かせることに必死だった。