「………………ヌナ……?」
僕は焦って
彼女を泣き止ませようと抱き締め
背中を擦る。
彼女がこれ程まで
泣く姿を見たことがなかったから
僕はただただ
どうしようと動揺していた。
少しすると
彼女の弱々しい
苦痛のような声が
僕の耳元から聞こえてくるから
僕の動揺はますます収まらない。
「ねぇ……………どうして…………
どうしてそうやって…………
私の前に現れるの………
必死に忘れようとしてるのに……………
どうして……………」
彼女の苦しいその声は
僕の胸を抉るようだった。
「モテモテで……
人を振り回して
気持ちもかき乱して………
テテなんて
だいっっ嫌い……!!!」
彼女のその言葉は
僕の胸に鋭く突き刺さった。