彼女が嬉しそうに
料理の写真を撮り終えると
「撮って撮って~」
僕はカメラを渡して
写真を撮ってもらう。
これらの写真はSNSに載せる為だけでなく
僕の個人的な思い出として
ファイリングするんだ。
僕がこれまでの人生で
一番勇気を出した
好きな女を追いかけて行った
ニューヨークでの思い出として……。
彼女は美味しそうにステーキを食べていて
彼女のそんな顔を見ると
美味しさも倍増した。
美味しいもので
彼女を釣れるとは思わないけど
場が和んで
彼女と普通に会話が出来たし
笑顔で顔を合わせられたから
良かった。
彼女より先に食べ終わった僕は
ウェイターを呼んでこそっ と
「check please. secretly」
と耳打ちする。
トイレに席を立ったフリをして
支払いを済ませた。
男はカッコ良くスマートにしなきゃね。