彼女はキョロキョロと
周りを警戒していて
最初は全然
僕とのデートに集中していなかったけど
持ってきたカメラで風景を撮りながら
彼女をつれ回しているうちに
次第にリラックスしてきたのか
僕の撮った写真を覗く表情には
笑顔も見られた。
彼女と居れることはもちろんのこと
非日常の風景に囲まれてのそれだったから
僕の日頃のストレス解消にも
とても良かった。
「ねぇぇヌナ~
あそこに俺座るから撮って撮って~」
僕は一応
いつかTwitterとかで投稿する用にと
写真も撮っていた。
彼女を目の前にして
キメ顔をするなんて……
ちょっと恥ずかしいけど
彼女にカメラマンをお願いして
撮って貰った。
最初はやっぱ照れちゃって
ニターッて笑っちゃったけど
彼女も元々芸能界に居た人間だから
『もう少し右~
顔傾けてみて~』
とか
いい感じに指示してくれて
僕も撮影のスイッチが入った。