「あ……今日仕事…………」








彼女は我に返ったように
ヘアターバンに手をやって

それを乱暴に取って髪を直す。











「今日何も予定入ってないはずだよ?
俺とのデート以外は」









僕の発言に
彼女はキョトンとした。










「だって俺1週間前に
ヌナのスケジュールおさえてんもん。
社長に1日空けとけって言われなかった?」









社長は機転が効くから
上手く言ってくれたんだろう。











「お客さんと会うからって……」









彼女は真面目だし



社長を信頼してるから
疑いもしなかったんだと思う。






ましてや僕がそのお客さんだとは
思うわけないよな……。









「それ嘘だよ。
俺、ヌナをその日
休みにさせてってお願いしたから」









彼女は色々と驚きの連続で

少し動いては僕の発言に固まって……









素直な反応が面白くて可愛かった。


















でも考えてみると







彼女からしたら


僕が言うことなんて






これまでのことがあるし

まぁ……信じられなくて当然だ。













だから






「俺、今日1日
ヌナと居る権限持ってるから。
なんなら社長に確認してみてよ」







彼女に信じてもらう為にも
社長に確認してみてと言った。















彼女は躊躇しながらも


ケータイで社長を呼び出す。









社長も巻き込んで
申し訳ないなぁと思いつつ



社長の応答を待った。