「今夜のフライトだよな」
「はい」
ニューヨークへ出発する日の
お昼休み
スケジュールが終わったら
即行ニューヨークへ行く予定の僕を
ナムヒョンが気にかけてくれた。
「○○さんビックリするだろうね~」
「でしょうね………。
でも……追い出されるかな………」
「まぁ………男らしくエスコートして……
彼女を想う気持ちを
真っ直ぐに伝えてきな」
「はい…!」
僕は夕方までの
キツいダンスレッスンを乗り越え
事務所を出る所で
メンバーと別れる。
「テヒョナ!!ファイティン!」
メンバーにそう見送られながら
マネージャーと一緒に
メンバーとは別の車に乗り込み
メンバーたちの車の追走車のように
事務所を出た。
途中でスーパーの駐車場に入ったりして
誤魔化して
いつものように
ストーカーしてくる車の監視下から外れると
そのまま空港へ向かう。
長期滞在ではないし
事務所には
友達に会いに行くと嘘をついて
完全にお忍びで国外へ行くから
ファッションどうこうじゃない
芸能人感ゼロの装いになって
荷物も最低限にして
目立たないように空港へ足を踏み入れた。