「あのおばさん
若い人に嫉妬するっていうか
嫌うからすぐ粗捜しするんだよ。
俺も少し前までその対象だった。
まぁ俺は男だからそんなに酷くなかったし…
それにもう若くないってことだな」
笑いながら
そうフォローしてくれる彼の言葉に
私は少しホッとした気がした。
「ヨンジュン先輩が若くなかったら
私も若い内に入らないですよ」
そう皮肉っぽく返せば
「俺は中身がまだまだ子供なんだけど
皮が老いてバレないのかもな」
なんて言って
笑わせてくれた。
一人で落ち込むよりも
今日ここに来て
笑い飛ばせたのは
良かったのかもしれないなぁと思った。
しばらくは仕事の話をして
酔いが回ってきたところで
ヨンジュン先輩が
「ねぇシセリちゃ~ん
聞いてくれよ~」
と切り出す。
「俺さ~
彼女と別れたんだ~
一昨日……」
彼はテーブルに項垂れた。