先輩との約束だし、行くしかないけど……
正直言って
人の話を聞く気分ではない。
私は落ち込んだままトボトボ歩きながら
待ち合わせの焼肉屋さんの前まで行くと
ぼーっと店の前で立って
ヨンジュン先輩が来るのを待った。
少しすると
突然ケータイが鳴り出す。
画面を見ると
『ユンギ』の文字。
こんな時間に珍しい………
とりあえず電話に出た。
「もしもし?」
「あ、俺。
仕事……終わった?」
「うん。
どうしたの?
こんな時間に珍しいじゃん」
時間もだけど
昨日も電話したのに
連日で掛けてくることも珍しい。
「あ?ん………なんとなく……。
今休憩で………なんか作曲も進まねぇし
気分転換…」