「ところでさ、彼氏はいるの?」
お酒がだいぶ回ってきた所で
そういう話になる。
「一応……います」
「一応って………(笑)
ソウルの人?」
「はい」
「何してる人?」
「………ぇっと…………」
彼にそう聞かれて初めて
ユンギの事を説明しにくいことに気がつく。
「何?怪しい仕事とか?」
ヨンジュン先輩がグラスを傾けながら
そう問いかけてくる。
私は少しふわふわしている頭を
フル回転させて
なんとか答えを作り出した。
「なんか…………プロデュースの仕事
してるみたいです……」
「プロデュース?何の?」
ヨンジュン先輩は
私の“謎の彼氏“に興味を持ったようで
予想外に質問を続けてきた。
「よく……私も分かんないんですが……
たぶん…アーティスティックなこと…
だと思います……」
あまりにざっくりとした答えで
また掘り下げられるかな……
と内心焦っていると
「美術系かな?
すごいわ~~
芸術家気質と付き合ってるシセリさんが
なんかすごい!」
と褒められて
とりあえずはピンチは切り抜けた。