「ソウルの
わりと都心部から来たんでしょ?
初っ端こんな所に勤務なんて最悪だね」
ヨンジュン先輩は
この職場の中で一番年が近くて
私の気持ちをよく分かってくれる人だった。
「ソウルで働きたかったのは山々ですが……
でも…ここも良いですよ?」
「え~ホントにそう思ってる?
俺は嫌だけどな~」
廊下で会った時とか
2人だけになった時に
そう本音を溢す彼に
私も気が楽になっていった。
私の歓迎会をしてくれた時には
彼が隣に居てくれて良かったと思った。
「シセリさんが来てくれて嬉しいよ。
今までこん中に
俺一人だけすげぇ浮いてたんだから」
この店舗の人は
確かに年齢層が高く
私とヨンジュン先輩だけが
断トツで若い感じだった。
「会社だとさ、ぶっちゃけた話とか
しづらいこともあるし
今度ごはんでも行こうよ」
そう彼にこそっと耳打ちされて
ごはんくらいいっか……と思って
「そうですね」
と返しておいた。