アパートの鍵を閉めると


彼に手を差し出される。











え……?鍵を渡せってこと……?













キョトンとしていると






彼に強引に手を取られて
恋人繋ぎをされた。











私は焦って手を離そうとしたけど





彼は少し痛いくらいに
ぎゅぅっと力を入れてきて





手を離すことは出来なかった。















「ねぇ………」









歩き出す彼に訴えかける。













彼は前を向いたまま答えた。












「今日は俺……キムテヒョンとして
全力でヌナを口説きに来た。
俺の肩書きは一旦忘れて」






彼は振り返ってニコッと笑った。











彼に繋がれている手を見て

周りが気になって仕方なかったけど








彼はどうやら
離してくれる気がないようだったので






仕方なくそのまま彼について行った。































彼はカメラを持ってきていた。








どうやら
写真を撮りに行くことを考えていたようで




あちこち歩き回った。











そして海外っぽい感じの
古い建物があるような

来たことのない街に来た。










それだけに
段々と旅行に来ているような気分になる。














彼も気にしてなかったし



周りも気にしている様子もなくて












私も段々とリラックスしてきて






彼との散歩を楽しむことができた。