そんな多忙の日々
一人でオフィスに朝まで居ることも……。
コーヒーを淹れて
「根詰めちゃったので
ちょっと休憩してきまーす」
と誰も居ないと思って出社した社長の
驚いた顔にそう声を掛けると
私は一人
シーンとする休憩室に入った。
椅子を並べてベッドを作り
横になる。
ふぅ……
額に手を当てていると
突然ケータイのバイブが鳴った。
手探りでテーブルの上のケータイを取って
画面を見る。
『テヒョン』
私は一瞬迷ったけど
とりあえず電話に出た。
「…………もしもし?」
「もしもし……ヌナ?」
「うん……」
久しぶりに聞いた彼の声は
前と変わらず
低くて少しハスキーで
すごく心地よく感じた。