隣に座った彼女に俺は手を差し出す。
「わり。
少しマッサージしてくんね?」
彼女はちょっとキョトンとしていたけど
すぐに俺の手を
両手で包んでくれた。
プレッシャーで
全体的に強ばってたのかもしれない。
彼女の手に包まれただけで
なんかホッとした。
「最近さ、凝ってんのか
頭いてぇこと多いんだよな…」
自分でも頭痛を緩和させようと
首を回してみたりしながら
彼女に目を向けると
なんかホッとしたかのような感じで
どこかを見て
小さくため息をついていた。
あ……もしかして
俺のイライラは彼女に対してだと
勘違いしたかな…
「俺が怒ってると思ったか?」
彼女にそう問いかけてみると
図星だったみたいで
彼女はちょっと驚いた顔をしていた。
「顔に出てたぞ」
彼女はちょっとバツが悪そうに
目を反らした。
別に彼女にキレた訳じゃないけど
彼女の様子を見て
なんか悪いことをしたなと思った。