実は私はそういう経験がなかった。
彼氏がいたことはあるけど
いつも長続きしなくて………
私が愛想もない可愛げない女だから
「こんなヤツだと思わなかった。
する気にもなんなかった」
って別れ際に言われたこともあった。
さっきは彼と少し甘い感じになったけど
ユンギだって例外ではないかもしれない。
女扱いしてくれてるのは今だけかも……
だから
考えない考えない………
ないない………
なるべく考えないようにして
浴室を出た。
リビングに行くと
彼はソファでパソコンをいじっていた。
「あの……ユンギ。
お仕事中悪いんだけど
さっきそこに…私の寝床整えたから
ベッドで作業やってくれる?」
そう声を掛けると
彼は機嫌悪そうに
「あ゛?」
と言うから
ビクッとした。