彼が自分の隣を叩いて
座るように指示してくる。
言われる通りに腰を下ろすと
彼は私に手を差し出した。
へ………?
「わり。
少しマッサージしてくんね?」
申し訳なさそうな物言いで
そんなことを頼んでくる彼に
私は内心ガクッとした。
怒られなかったのにホッとはしたけど
なんだそんなことか………と。
彼の手をマッサージし始めると
「最近さ、凝ってんのか
頭いてぇこと多いんだよな…」
彼は首を回しながらそう呟いた。
さっきの仕草は頭痛かったからか………
怒ってた訳じゃなくて
頭が痛くて辛そうにしてたようだった。
良かった……
うざがられたんじゃなくて……
なんて一人ホッとしていると
彼がフッと鼻で笑ったから
思わず彼を見る。
「俺が怒ってると思ったか?」
なんで心読まれてんの!?
と焦っていると
「顔に出てたぞ」
彼はニヤッと笑った。