私は困惑して
目が泳いでしまっていると
「コリちゃん?僕の話聞いてた?」
と覗き込まれた。
私は
「ゃ……」
と思わず少し顔を背けると彼は
「どうしていつも目…見てくれないの…?
僕の事…嫌い…?
だったらごめん……
迷惑だよね…」
悲しそうにそう言ってきた。
私が黙りこくっているせいで
彼に私の動揺が何も伝わっていなくて
ただ傷つけているような気がしてきて
私は片方の空いている手に
きゅっと力を入れて
やっとのことで口を開いた。
「気分……悪くさせてしまって
すみません……。
嫌いだなんて………滅相もない……
き、緊張してしまって…
見れないだけです…」
私が下を向いたままそう呟くと
彼は握った手をゆらゆらさせた。
「な~んだ、良かった~
嫌われたんじゃなくて。
でも同級生なんだし緊張しないでよ~」
と笑う。
「ぉ………お顔が美しいので……」
「え~?何言ってんの~。
仕事ではさ、確かに
ナルシストなこと言ってるけど
別に自分カッコいいとか
そんな思ってないよ?
好きな子に好きって言えなかった辺り
カッコ悪いしね…。
僕の場合は
コリちゃんの顔は可愛くて
むしろじっと見ちゃうけどね」
彼は昔臆病で
告白出来なかったとか言ってたけど
本当に?と思うくらい
ストレートに言ってくるから
私は言葉が続かなかった。
「とにかく嫌ってるんじゃないなら
良かったよ。
でも僕と付き合うのは無理?
あ、もしかして…彼氏いたかな…?」
彼はどんどん攻めてきた。
「か………彼氏いないです……」
「でも僕は嫌」
「ち……違います。
でもあの…………
本当に私のこと……
好きなんですか?
好きになられるようなこと……
全然した覚えないですし…」