「ねぇコリちゃん。
連絡先交換しない?」
私は平然とそう言う彼にギョッとした。
思わず彼に目を向けると
彼は笑顔だった。
「や……えっとあの…
それは……大丈夫なんですか…?」
「何が?」
「へ?
あの~……ソクジンさん……
芸能人じゃないですか……」
私はすごく気が引けた。
気さくに話をしてくれる
性格が良い人なんだとは
なんとなく分かったけど
さすがにそれはまずいんじゃないかと……。
「あ~そういうことね~
ん~……僕今日ここに
芸能人として来てないからね。
僕の尊敬する人から
友達は大事にしないとって
色々教えて貰ったから
今日ここに来たんだ。
僕がそうしたいと思ってるから
別に良いと思うんだけど……
ダメ?」
彼はどことなく嫌みない感じだし
謙虚さを持っている人で
きっと本当に良い人なんだろう………
私は心が少し動いていた。
「私なんかと……交換したりして……
大丈夫ですか…?」
「私なんかって言わないでよ。
僕がしたいって言ってるんだから
コリちゃんさえ嫌じゃなければ
交換しようよ」
彼はそう言ってくれたので
私は彼に連絡先を教えることにした。