私はこれまでの彼の話してる内容が
すごい意外だなと思った。
あれだけモテて有名なんだから
やっぱり偉そうにしてるものだろうと
勝手に偏見の目で見ていた。
でも彼はすごく謙虚で
それが嘘っぽくなくて
それだけに私は動揺していた。
「ソクジンさんは私なんかよりも
きっとそつなく出来ますよ。
みんなに好かれてますし…」
そう
彼はみんなから好かれるような人。
ひねくれてる私とは全然違うんだ。
だからきっと心も綺麗なんだろう。
「みんなに好かれてないよ?
好いてない人が今僕の目の前にいるじゃん」
彼がそんなことを言い出すから
そんな人は誰なんだろうと
キョロキョロ探した。
彼の目の前…………
テーブル越しに彼の前にいるのは
彼の仲良しのジュングくんだ。
「えっ…と………」
「コリちゃん」
「え……」
彼は私のことをじっと見ていて
私は恥ずかしくて
思わず目を反らした。
「ほら~~すぐ目反らす~
僕のこと嫌いでしょ?」
彼にそう言われて
自分のことを言っていたのだと分かって
すごく焦った。
「や………嫌いな訳じゃ…」
「いいよ。仕方ないよ。
人には好き嫌いあるから。
でもこれから仲良くなれば
嫌いじゃなくなるかもしんないと
僕は思ってるし」
私はどうも
彼のペースに乱されて
落ち着かなかった。