「ほらほら
それで何の仕事なの?」
ソクジンくんはお酒を飲みながら
ニコッと微笑んでくる。
私は一瞬にして調子が狂わされた。
「経理………っていう事務というか……」
気づいたら
彼の質問に答えている自分がいた。
「事務か~!
この前電話した時
なんかすっごいカッコ良かったよ
コリちゃん」
第一
彼と話していることが変だし
彼に私の名前を呼ばれていること自体
違和感でしかなかった。
「そんな……普通ですよ……」
「僕には出来ない」
彼のその発言に
まぁそうでしょう
それだけ恵まれたものを持ってるのだから
する必要もないし……
と思っていたけど
彼の発言の意味は
私の解釈とは違っていた。
「ほら事務ってさ
電話対応とかお客さん迎え入れたりとか
ホント色々業務あるし
結構頭使うでしょ?
僕頭悪いからさぁ
やったら失敗ばっかりな気がして……
だからすごいなぁってホント思う。
会社で働けるのはスゴいしカッコいいよ」