ホント
あんな顔の人がいたら
モテない訳がない。
でも
私の記憶にはない人だった。
彼が私と話したことがあるって言うのだから
きっと顔を見たことはあるはずなのに………。
私はポツンと一人
記憶を辿っていた。
すると
「ねぇねぇ
コリさんだよね?」
比較的小柄な感じの男性に
突然話しかけられた。
この人はどこかで……
見たことがあるような気がしたけど
誰だっけ…………
私の分からないという表情を読み取ったのか
彼は自己紹介を始めた。
「同じクラスだったサジだよ」
私はそれを聞いて
一気に心拍数が上がった。
彼は中学時代
私を虐めていた人だ。
お互いきっと変わったし
過去は過去のこと。
そう思って
私は平静を装った。
「久しぶり………だね…」
出来れば話はしたくない………
そういう思いから
さっぱりとした態度をとっていた。