ホテルの最寄り駅は
何回か降りたことのある駅で
迷わないだろうと思っていたけど
何故か人が異常にごった返していた。
こんなに同級生いたっけ………
いや…………いないよな………
そう思いながらも
刻々と迫る集合時間に
少し気持ちが焦っていた。
やっとのことで駅を脱出したと思っても
行列は自分の進む方向へ続いていた。
格好もバラバラだし
みんな同級生ではないのは明らかだ。
でも行列は結局ホテルまで続いていた。
ホテルの前はすごい人だかりだった。
人混みの隙間から
ホテルの中の様子を伺うと
どうやら受付の手前で
ほとんどの人が立ち止まっているようだった。
どういうこと…?
これってどうしたらいいの……?
私は周りの様子に飲み込まれて
立ち尽くしていると
人混みの中から
綺麗な格好の女性が飛び出して来た。
「あ!!!!もしかしてコリ?」
その声は聞き覚えのある
なんとなく懐かしい声で……
「覚えてる?
私、アヨンだよ!」
私の中学時代の親友だった。