適当におかずを盛り付けたお皿と
ごはんを彼の前に置くと
彼はじーっと料理を見ていて
すごく緊張した。
料理上手な可愛い女の子と違って
私の作るものは
全然手の凝ったものじゃないから
幻滅されたかなぁと思った。
でも彼は
お世辞なのかもしれないけど
「うまそ~」
と言ってくれた。
私も向かい側に座ると
一緒に食べ始めた。
「ごめんね。上手じゃなくて」
「俺は食えればいいから」
やっぱりそんなに美味しくないか……と
ちょっとだけ落ち込んだ。
「お前って
一人暮らししてどんぐらいなんの?」
「3年ちょっと」
彼の質問にそう答えると
「さすがな味だ」
と言われて
「どういうこと?」
と若干キレ気味に言うと
彼は笑って
「怒んなよ。旨いって意味だよ」
と言われて
カーッと顔が赤くなった。
それを見て笑っている彼に恥ずかしくなって
私は無言でごはんを食べて誤魔化した。
彼の言葉は
どっちともとれるから分からない。
でも全部食べてくれたから
良かったぁとホッとした。